SL−P770 修理記 2014.03.23
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我が家に新しく名機(SL−P770)が入院、所見は以下のとおり
1.CDを認識するがCDを再生しない
2.再生ボタンを押しても経過時間がカウントされない。
3.イジェクトボタンを押して取り出すと、CD盤が回転しながら排出される。

例により、筐体カバーをはずし、マウントレールに固着したグリス(黄色の一般タイプ)をCRCを吹きつけながら除去

1.CDを取り込むと1トラックは再生する。・・・うまくいった感触
2.ところが世の中、そんなに甘くない。2トラック以降は再生しない。そのうち、6トラックのみ再生するなど、ダメ状態。
3.例により、レンズをマウントしている基盤を確認しようとするが、CDトレーなどが邪魔になり基盤が見えない。
4.CDトレーの押さえカバーをツメを抑えながら外す。CDトレーは手前へ少し力を入れると抜き出すことができた。
5.基盤がよく見えないので、カードコネクーを外して、大きめのビスを3本外してレンズユニットを取り出した。
6.残念ながらレンズユニットの基盤には容量抜けを疑えるような電解コンデンサは見当たらなかった。
7.何も対策を打てないまま、元に戻す。
8.メイン基板上の電解コンデンサの容量抜けを疑い、電解コンデンサにパラって付加したが変化はなかった。
  

基盤上のシルク印刷でPLL部分を触ることに方針変更。


1.ここで、インターネットに掲載されている諸兄の教えを読みに行く。
2.そこにはCDのサンプリング周波数と一致するよう速度をPLLでコントロールする、隣接のピットを角度を変えて探るなど
  重要な機構と言うか、今まで疑問に思っていたことが自分にもかなり理解できる言葉で説明されていた。
3.PLLと書いたシルク印刷付近のVRを廻すが、どちらへ廻しても状況は悪化し、現状位置しかないことが判明。
4.PLLエリアには他にVRが2個セットで3組あるがこれはRLのステレオ用でPLLのシルク印刷内にはあるが関係は・・・・
5.依頼主にはダメ元と言ってあるので思い切って廻すことを決意。よく見るとRLではなくTRなどと書かれており
  意味不明なるも、送信と受信か・・・・不明・・・
6.6個のVRの内、廻すと再生状態がよくなったり、悪くなったりすることが判明。
7.6個のVRでそれぞれが最も安定して再生するポジションを根気良く探索する。
8.調整位置によってはCDが非常に高い回転数で周り、PLLがロックせず、アンコントロール状態であることが見て取れる。
9.例により市販のCDは比較的良く、トレースするが、自分で録音したCDはなかなかよくならない。
10.CD挿入時にたとえば、20トラックを指定するとロックせず、高速で回転してしまうことがおきやすいと判明した。
11. 1トラックから順番に移動するとロックする。
12.これらのことも最適点を6個のVRでほぼ完全に調整を完了した。

おさらい(2014.03.23 09:00-22:00)
1.CDレンズの摺動用レールのグリースはCRCで除去し、リチューム石鹸入りグリースを少量塗布
  「塗ってはならない」と言われている方もおられるがK社P社とも出荷時に塗られた形跡がある。
  長期間使わないで錆びると修復困難となると考えられ、たれない程度に塗っている。
2.6個の半固定VRの調整にてPLLがロックするようになった。
3.ロック不良の場合はCDが高速で回転し、取り出すか、手でとめない限り回転は停止しない。
4.KENWOODのときは傷の多いCDに音質劣化がはっせいしたが、今回は音質劣化は一切なく
  PLLがロックし、回転のサーボ状態が保てるか否かがポイントであった。