TA-F333ESL 修理記
2020.04に修理完了
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ただいま修理進行中
1.ヒューズが切れた状況で依頼を受ける。
2.電源トランスの巻線抵抗(直流値)は0ではなく、短絡、断線は無い。
3.電源のダイオード4個を基板から外し、電源を入れるとヒューズは切れることがない。
4.パワーMOSをすべて基板から外して、電源のダイオードを基板に戻す。


5.恐る恐る、電源スイッチを入れるとヒューズが一瞬で飛んだ。
6.パワーMOS以外にも短絡個所があるんだろうか。
7.数日を経て回路図も入手し、アナログテスターでB電源の抵抗値を計測した。
8.マイナスラインはしばらく抵抗値が低くなるが徐々に高抵抗値となっていく。
9.プラスラインは抵抗値が低いままで、明らかにマイナスラインとは違う。
  大容量のコンデンサは基板上のセットと基板外の2セット、4個あり、テスターでの印加電圧ではあるが、両方ともショートは無かった。


10.ヒューズを3本も飛ばしたので、一旦、電源のシリコンダイオードを外してみようとしたところ
   なんと、1本が逆方向につけてしまっていた。
11.復帰したら、パワーMOSを浮かした状態で、ヒューズは切れなかった。
12.やってはいけない、修理時のケアレスミスであった。なお、電源ラインの電解コンデンサは高容量なのでいつまでも電圧と大量の電荷が
   蓄積されている。ブリーダ抵抗で終端していないようだ。うっかり短絡させるとスパークが起こる。

13.メイン出力用のパワーFET(2SK1529、2SJ200)およびドライバなどのトランジスター、計16個を基板から隔離するとヒューズは切れることがない。
14.パワーFETの内、3個についてドレイン−ソース間について両方向の導通がある。(=3個について破損している。内の1個は不安定である)
15.パワーFET8個をすべて取り換えることに決定し、予備各2個を含め12個をWへ注文した。(安価品であるが銭失いとなるか否かはまだわからない)
16.T社の技術資料がネット上に掲示してありいくつかの破壊モードの内「MOSFETにおけるアバランシェ破壊」などという項目があり、今回の複数破壊は
  これなのかも知れない。対策として主経路の浮遊インダクタンスを減らすことが提案されている。そう言えば、電解コンデンサ2個が基板上に置けなくて
  長いリード線で引き回されていて、これも原因の内かも知れない。線を太くしてもインダクタンスは小さくならないような気がしていて、対策は無いかも。
17.2020年3月15日の時点でシッピング完了をのメールが来ている。
18.ネット上にサービスマニュアルの海外版が存在していて、参考となった。
  日本のメーカーではマニュアルを渡さないことで安全を確保していると主張している。自分にとってはサービスマニュアルが存在した方が安全であると思う。

パワーMOSは届かない
19.今日は2020年3月25日(水) まだ、届いていない。予定では最短で3月21日、最悪で4月21日くらいの通知が来ている。
20.e−buyで注文すると、大阪の郵便局の国内窓口とおもわれる部署からメールが届くはず。
21.新型コロナウイルスの関係でいつもよりは遅延しているのであろうか。

パワーMOSが届いて修理完了した。
22.2020年4月10日だったかに届いた。当然各6個とも良品であった。
23.早速、取り換えたら、あっけなく修理が完了した。
24.雑音、ハム音とも発生していなかった。バイアス電流の調整は不要と判断した。
25.視聴したらいつも使っている、カラオケアンプとBOSEの組み合わせと比べて
   落ち着いた音となっており、うらに隠れた楽器の音が聞こえるようになった。一般に言うところの分解能が上がったのかと思う。
26.予備品のFETと回路図のコピーをつけて、依頼者に返却した。

27.将来、3極管のアンプ(できれば6G−A4 PP)を望んでいたが、V−FETでも同等以上なのかも知れない。
28.追加で今回もebayでFETを多数、注文した。新型コロナの最中にも拘わらず、2週間ほどで注文品が到着した。