大野建築設計事務所

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ダイアリー

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2023年7月17日(火)

令和5年5月5日に発生した石川県能登半島地震(震度6強)で被災した建造物の調査(災害ボランティア)に行ってきました。

この調査は国立文化財機構文化財防災センターの要請によりもので、北陸3県から建築専門家が集まり、私は日本建築家協北陸支部会員として同行しました。調査は5月10日に0次調査(徒歩で周辺の状況を観て回る)、7月1日に1次調査(建物ごとに被災状況を観て回る)の2度行いました。深度6強の地震は特に珠洲市に大きな爪痕を遺し、建物は一見大丈夫そうに見えても傾いたりしており、度重なるる地震でいつ危険に晒される分かりません。一刻も早い詳細調査と応急工事が必要と思いました。地域が持つ文化的価値の高い建物が失われることにもなります。地方都市は高齢者が多く、修理費負担は重く伸し掛かりますので出来る限り、国や県、市で負担軽減をすべきでないでしょうか。

2023年4月5日(水)

石川県金沢市にある「国立工芸館」を見学してきました。

令和2年10月に「国立工芸館」が開館しました。旧陸軍の司令部と旧陸軍の偕行社の2棟を一つにして整備された美術館で何れも120年近く経つ建物とのことですが当時の面影をしっかりと残すため保存修理されており、腰部分のデイテールを近寄って見ると細かく加工された笏谷石(凝灰岩)がとても美しく整然と納められていました。「東京国立近代美術館」が金沢に移転したわけですが、日本海側随一の工芸都市金沢に相応しく、今後さらに地域の工芸分野の発展に寄与していくものと思いました。

2023年4月1日(土)

石川県金沢市にある谷口吉生氏設計の「鈴木大拙館」を見学してきました。

以前から見たいと思いながら、ようやく機会を得ました。竣工から10年以上経ちますが全てが新鮮な状態で保たれ、4月始めで少し肌寒い風は時の流れをとめてくれている様でした。建物は金沢出身の仏教哲学者、鈴木大拙の展示館で、設計は同じ金沢出身の建築家・谷口吉郎のご子息になられる谷口吉生氏です。周囲の緑と水景はは殊更に建物を象徴的にしており、見るものを釘付けにさせます。久しぶりに建築の原点に触れたような気持ちになりました。

2023年3月12日(日)

設計キー・オペレーション+コーポレーション設計共同体様のご厚意で富山市の「十全化学本社社屋」を見学させていただきました。

建物は富山県美術館の横になり、神通川と富岩運河の間の工業団地の中に建っていました。第一印象は、ガラスと針葉樹のルーバーで構成されたとても開放感のある建物に思いました。工場棟を一望出来るように周囲を全面ガラスにし、それにバルコニーが設置してあり、1階がエントランスホールとミーティング室、2階が事務室、3階が厚生施設、4階が事務室、5階がミーティング室等になっており、4階の屋上テラスにはスタッフがゆったりとくつろげるチェアーが配置してありました。内部の天井にも針葉樹のルーバーが使われており、鉄骨構造ですがとても木の温もりを感じる建物で、今後この良い環境でスタッフらが仕事が出来るのだなあと思うととても羨ましく思いました。

2023年2月9日(木)

富山県主催の木造公共建築講座、共同住宅「IーTOWN第1期街区」の講演会と現地見学会に参加しました。

今年は降雪量がとても少なく、晴天に中、車で黒部まで行ってきました。建設場所は黒部市吉田というところで近くに生地駅があります。設計・監理は、これまで多くの建築を手掛けてきた(株)みかんぐみ(代表、竹内昌義氏)。建物は県産材を使った木造2階建ての共同住宅で、ゼロカーボン=全てのエネルギーが再生可能エネルギーを目指したものでした。断熱等級は6(等級6でないとエネルギーが減らない)とのことですが、現在一般的に建築されている住宅の断熱材をかなり厚くしたものです。屋根には再生エネルギーとして太陽光パネルを設置しており、給湯は共同のバイオマスボイラーを利用しているとのことでした。今、日本は地球温暖化から脱炭素社会を進めており、令和7年には省エネ基準適合義務化されることが決まりました。建築業界は住宅、非住宅ともに省エネルギー化に邁進していることを強く感じた機会になりました。


 

 

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