大野建築設計事務所

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2019年04月22日(月)

富山県高岡市立博物館で高野山奥之院生身供「唐櫃奉納」の展示を観てきました。

高野山奥之院の弘法大師御廟に現在も日に2度食事が運ばれ、その儀式、1000年以上続いているとのことです。そんな中、日本伝統職人技術文化研究の方々が毎月21日(弘法大師の入滅日)に使用してもらおうと「唐櫃」を製作されました。本体の木曽ヒノキは伊勢神宮など全国の寺社仏閣に納めておられる池田木材さんからとのことです。本体は二人で担ぐもので、木組みの緻密さや屋根部の桧皮葺き、脚部の螺鈿仕上げなど、どれ一つ取ってもとても素晴らしい細工が施されていました。この研究会には全国の多く職人さんがおられるとのことですが、滅多に見ることの出来ない素晴らしい技術の粋を見せて頂きました。

2019年04月07日(日)

富山県高岡市の国登録有形文化財「高岡市福岡歴史民俗博物館」を訪ねました。

福岡町下向田の山間の高台にある「高岡市福岡歴史民俗博物館」を訪ねました。元は旧福岡町役場(壽原英太郎氏寄贈)で昭和62年に町中から現在の所に移築されたとのことです。建物は洋風造りで正面の柱等はとても高い左官技術で仕上げられていました。内部の照明器具周りの漆喰飾りも洋風建築の持つデザインが施され貴重価値の高い建物だと思いました。福岡町は昔から菅傘などの生活用品が盛んな所と聞いておりましたが、今では少なくなりごく一部で作られているそうです。

2019年04月02日(火)

富山県高岡市の重要文化財「勝興寺」を見学させていただきました。

保存修理に着手して約23年なろうとする「勝興寺」が来年の秋に外構を除き完成します。その「勝興寺」を(公財)勝興寺文化財保存・活用事業団の高田専務理事の案内で見学せていただきました。当日は4月としては珍しく牡丹雪の降る寒い日になりましたが建築有志10人が集まり、氏の懇切丁寧な説明を受けながら約1時間余り、本堂と本坊を見せていただきました。修理に伴うご苦労された話がとても多くありましたが、日頃、建築に携わる我々にとってはとても興味深いことで、色々と質問させていただき楽しい時間を過ごすことができました。

2019年03月29日(土)

富山県南砺市城端の旧中谷家住宅「じょうはな庵」を訪ねました。

3~4年前に城端の曳山会館を訪ね、今回、旧中谷家住宅「じょうはな庵」を訪ねました。城端には城端別院「善徳寺」という立派な寺院が建っており、その門前町としての特徴的な造りをしています。木造2階建て桟瓦葺きの平入りつくりで、登り梁による深い軒の出、2階両袖には防火壁ともいえる袖壁が設けられています。しっかりと管理されているようで古さの中にとても美しさを感じました。明治38年頃の建築で、平成27年11月17日に国の登録文化財に登録されています。

2019年03月24日(日)

富山県氷見市仏生寺の高台に建つ建築家 長谷川逸子氏設計の旧仏生寺小学校を訪ねました。

平成5年11月完成の建物ですが、工事中に一度、完成時に一度見に行って以来で、久々に訪ねました。忘れもしませんが、濃紺の外壁色に魅力を感じ、現場に落ちていた塗装の着いた木片を持ち帰ったことを今も覚えています。今でも斬新な建物ですが、氷見と言えば海がイメージされ、まさしく貝殻を思い浮かべさせるプロポーションをしています。残念ながら年々児童数が減少し、平成22年に児童数が26名になり、その翌年には廃校になって136年の歴史を閉じました。氷見は昔からハンドボールが盛んで全国小学校ハンドボール大会で2度連覇している強豪でしたがとても残念です。今は富山大学の研究室として使用されており、新たな主人のもとで、しっかりと受け継がれて行くことと思います。

2019年03月17日(日)

富山県高岡市山町筋にある国登録有形文化財「佐野家」です。

富山県高岡市は江戸時代に問屋業を中心とした加賀藩領内随一の商工業都市として栄え、人口3万人がいたと言われています。そして、明治22年には全国の30都市とともに日本で最初の市制をしきました。(県庁所在地でない都市で市制になったところは高岡だけ)                                            山町筋の南に位置する「佐野家」に見事な2層高さの防火壁があります。その規模はこの界隈では最も大きいものと思われます。当時、県西部の石動町のレンガ工場から運ばれ、築造されたものですが、是非一度、ご覧になっていただけたらと思います。当時の建築技術の高さが伺えると思います。

2019年03月08日(金)

富山大学都市デザイン学部 都市・交通デザイン学科主催 住宅セミナー「暮らしを変える住宅設計とは」に参加しました。  ファシリテーター富山大学教授 掘 祐治氏、講師 東京大学大学院准教授 前 真之氏、講師 日本エネルギーパス協会講師 川端 順也氏 

富山大学主催の住宅セミナーに参加しました。昨年末、政府は2020年の住宅省エネ基準の義務化を見送ったが、今後も温熱環境の取り組みは変わらず進み、日常の設計業務に於いてヒントとなることを持ち帰って下さいとのことで、3人の方から幅広く、お話を聴かせていただきました。どうしても断熱工事(省エネ基準)をすると費用が掛かり、元を取るまで30年近く掛かると言われる。しかし、もっと大切なことは、生活には「快適性」と「健康性」がないと時には冬期の寒暖の差(ヒートショック」などで体調を崩し、致命傷になることもある。こういった事をよく考えて欲しいと言われた。断熱をするにも、どこまでするかでコストが決まる訳で、経済的な事ことを良く考えて住宅の設計をして欲しいと言われた。今回、住宅の義務化が見送られたが、300㎡以上の非住宅に適合義務が課せられた訳だから、今後、住宅も近い内に実施されるものと思いました。

2019年03月03日(日)

建築家 長谷川逸子氏設計の「大島絵本館」を久しぶりに訪ねました。

長谷川逸子氏は、2018年に英国の「ロイヤル・アカデミー建築賞」を受賞した建築家です。氏はデビュー当時からインパクトのある建築を造ることで知られ、1994年(平成6年)に現在の富山県射水市に「大島絵本化館」を設計しています。オープンから25年経ちますが、建物の経年劣化は殆ど見られず、建築素材の選択肢に気配りし、設計されているなあと思いました。当日、多くの子供達が来館しており、外で遊ぶ子もいました。

2019年02月24日(日)

建築家 白井晟一氏設計の「呉羽の舎」を十数年ぶりに訪ねました。

富山市近郊の呉羽山の丘陵地に建つ「呉羽の舎」を十数年ぶりに訪ねました。私の好きな建築家、白井晟一の代表作の一つです。今も周辺、木立で囲まれ、建設時となんら変わらない様相で、どなたがお住まいなのか分かりませんが、建物の維持管理が徹底されているようで、半世紀経つ名作がしっかり残されていることに感動し、感謝の気持ちでいっぱいになりました。この日は快晴で、建物は陽光を浴び、とても眩しく感じました。氏は江川太郎左衛門家をみたとき、「もっと力強い調子でと投げかけてくるようだ」と述べていますが、これまで県外の作品も含め数カ所訪ねましたが、どれも語りかけてくるように、受け入れてくれました。この建物、出来る限り永く愛され、残して欲しいと思いました。

2019年02月17日(日)

富山県建築士会主催 パネルディスカッション「伝統的建築技術と一般建築のコラボレーション」が開催されました。会場:富山オーバードホール

建築士会主催のパネルディスカッションに参加しました。パネラーに左官師、伝統的建築大工、それに銘木販売、手漉き和紙製作の方々がなられ、コーディネーターは建築士会会長です。始めに、各々職能の歴史と現状について話されました。左官師は1975年頃、全国に30万人いたが現在3万人で、富山県内は500人、年々減少しているとのことです。他の皆さんも同じような内容で、職人の減少と仕事の減少に悩まされ、新しい活路が見いだせないか模索しておられるようでした。私が設計し始めた40年前はこのような話は全くなく、当時は多くの職人さんがいて不自由さは全く感じませんでした。住宅は漆塗りの真壁造りが多く、内外で左官仕上げが使われていました。しかし、ここ10年くらい前から少しずつ漆塗りの家が無くなり、内部の左官仕上げがクロスに替わり、工法が湿式工法から乾式工法になってきました。なるべく本物の素材の良さを建築主に説明しますが、最終的には言われるままになるケースが増えて来ております。今日の話を聴いてて、職人さんと仕事の減少は、建築設計士にも問題があるように思いました。出来る限り、本物の素材の良さを時間を掛け説明し、使って貰えるよう努力することの大切さを感じました。

2019年01月07日(月)

高岡市伏木の重要文化財「雲竜山 勝興寺」で、釿(チョンナ)始めの儀式が行われました。

年始めの寒風の中、雲竜山勝興寺本堂の縁に、土山住職始め工事関係者が集まり、古式豊かに「釿始式」が行なわれました。本堂は平成10年から7年の歳月をかけて保存修理が行われ、現在、庫裏の修理が行われています。全ての完成まで、あと2年かかるとのことですが、早く完成し、建物の全貌を現して欲しいと思いました。


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