大野建築設計事務所

トップ > ダイアリー > アーカイブ4

アーカイブ8

ダイアリー アーカイブ1 アーカイブ2 アーカイブ3 アーカイブ4  アーカイブ5  アーカイブ6  アーカイブ7  アーカイブ8  

2023年1月13日(金)

建築家マニフェスト集 日本版2022(日本建築家協会発行)を読んで。

本年開催のUIA国際建築家連合・コペンハーゲン大会に先立ってJIAから昨年刊行された日本版のマニフェスト集です。大会テーマは「建築とSDGs」です。この本を一読させてもらってとくに印象に残った提案がありました。タイトルが「不便で手間がかかるが生きている気がする建築環境」です。 生活の便利さを一旦あきらめて「不便で手間のかかる建築環境」はどうだろうかと。そしてその「不便さ」が生活の刺激となり、手間をとられるがそこに「幸福」を感じれれば、間違いなくエネルギーの消費が落ちると。 今、 化石燃料の石炭が120年、天然ガスが60年、石油が40年と言われていますが、果して今から持続可能な社会が間に合うのでしょうか。私は、数十年前から自身の生活エネルギー消費を抑え、物を大切にすることに心がけています。ほんの些細なことですが、今みんなが行動をとる時ではないでしょうか。

2022年12月30日(金)

その2 建築家 香山壽夫氏の講義録「建築意匠講義」を読んで。

氏は著書の中で「建築の始まりにおいて住居と神殿が同時に成立している。日本の神社建築においても古代住居の形式を留めている」と書いています。調べて見ると、古代、竪穴住居では先祖が大地の下にいると考えられ中央に掘られた小さな丸い穴から先祖に話かけていた、その後住居と礼拝場を二つに分化し現代の建築形式になったようです。また氏は「人間の住居は住むだけでなく、人を招き入れるためのものである」と書いています。私が幼いころ住んでいた住宅は大きな切妻屋根のアズマダチ造りで、来客用の玄関が正面の中央にあり立派な造りでしたが、住人の玄関はというと外部に開放された冬とても寒いところにありました。昔は訪問者に対して「おもてなし」を大切にしていたことが十分わかります。現在はどうでしょうか。ほとんどの家は居間を来客スペースにしているように思います。考えてみると半世紀の間に随分色んなことが変わったものです。必要であったものがどんどん無くなってしまいました。

2022年12月25日(日)

その1 建築家 香山壽夫氏の講義録「建築意匠講義」を読んで。

昔、建築士事務所協会の全国大会の見学先として「彩の国さいたま芸術劇場」を観せて頂いたことがきっかけで、建築家 香山壽夫氏のことを知り、大会から帰ってきて早速、著書がないか書店で探したところ、この本に出会いました。今も暇なときページをめくっています。あるページに彫刻家ロダンはエッセイの中で「建築は、最も頭脳的な芸術であり、同時に最も感覚的な芸術である。すべての芸術の中で、人間の一切の能力を最も完全に要求する芸術である。他のいかなる芸術においても創造と理法がこれほど活発に関係しているものはない。だがまた、これは最も厳格に雰囲気の法則に従う芸術である。それというのは建築物は常に雰囲気の中に浸っているからである」と述べています。氏もこの言葉についてコメントしていますが、「空間に身を置き、動きに身を任せなければ建築を理解できない」、確かと思います。このことから「建築空間」と言うのでしょうか。建築にロマンを抱くひとりでですが、現代を生きるにあたって、日常のやっかいとも言える問題を解決しつつ設計しなければなりません。建築を目指すもの一人ひとりそれなりの覚悟が必要な時代になったと思います。

2022年12月17日(土)

NASCA+古谷誠章氏が設計・監理された「氷見芸術文化会館」を見学してきました。

JIA北陸支部の見学会に参加出来なかったので、個人的に見学してきました。氷見市は昔から農林水産業が盛んで富山県西部の北側に位置する人口が約5万人の小都市です。車で高岡から国道160号線を走り氷見トンネルを越えると最初の交差点角に「氷見芸術文化会館」が建っていました。建物は鉄筋コンクリート4階建て、床面積が約10,500㎡、コンサートホールを中心とした施設でした。国道160号線と国道415号線の交差点と言うこともあり車の交通量が大変多く、中庭「青空広場」を取り囲むように建物を配置してあるところが特に印象的でした。内装に「木の板」が使ってありましたが、事務所に帰って調べたら「ひみ里山杉」とのことで、コンクリートの無機質に木が持つ「ぬくもり」がとてもマッチしており、地域の材料を使うことでより市民に親しんで貰おうとする設計者の思いが伝わってきました。今後、この会館が多くの市民の憩いの場になるものと思っています。

2022年11月26日(土)

国宝に指定されることになった高岡市伏木「勝興寺」を拝観して来ました。

”ふるこはん″の愛称で親しまれる高岡市伏木の「勝興寺」が今度、国宝に指定されることになりました。高岡市にとって瑞龍寺に次いで2つ目の国宝になります。今日、明日と国宝を記念してライトアップされるとのことで小雨の降る中、出掛けて来ました。お寺には一目見ようと多くの拝観者が訪れておりました。いつも日中しか見たことない「勝興寺」,色とりどりのライトアップで夜景に浮かび上がり、とても幻想的に見えました。

2022年05月23日(日)

富山県高岡市福岡町の景観形成重点地区を散策しました。

高岡市の市街地から南に少し離れた所に福岡町があります。かつて菅笠(スゲガサ)の集散地として栄えたところです。界隈の建物は面格子や化粧垂木、防火壁などを備えた昔風の造りになっており、旧北陸街道に面して約1キロの間に多くの民家が建ち並んでいます。高岡には重要伝統的建造物保存地区が2地区ありますが、それに勝とも劣らない素晴らしい地区です。1時間近くの散策でしたが、長引くコロナで外出を自粛してましたから気持ちの良いひと時を過ごすことが出来ました。

2021年05月02日(日)

富山県南砺市福野出身の建築家吉田鉄郎設計の山田家「洋館」の内部を見学させて頂きました。

東京中央郵便局など数多くの通信施設を設計した南砺市出身の建築家吉田鉄郎設計の山田家「洋館」を当家山田氏のお誘いで内部を見学させて頂きました。建築年が昭和4年の木造2階建ての離れは今も当時の木製外壁材が使われ、内部の和洋折衷つくりの部屋も殆ど改造されず残っていました。吉田鉄郎は生涯の1/3は住宅を設計しており、その中で「洋館」は現存する数少ない住宅の一つと言われております。当家のご子息の為に建てられた住宅は今で言うバリアフリーで設計されており、階段など各ディテールに渾身の力を注がれて設計されているように思いました。早く登録文化財或いは指定文化財になって欲しいものです。

2020年11月07日(土)

富山県立高岡工芸高等学校の敷地内に建つ「造形実習室」を見学しました。

11月で少し肌寒く小雨の降る中、同窓生数人で母校にある築100年の旧窯業科実習施設を見学させていただきました。小さい建物ですが長く風雪に絶えて来た力強さとレンガ造特有の緻密な美しさを感じさせてくれました。主要構造は木造(洋トラス)で、外部に素焼レンガが積まれ、屋根は和瓦(56版、72版)で、窓台まぐさには笏谷石が使われていました。当時は地元の材料で建築することが主流で、この建物は現在「とやま近代歴史遺産」100選の一つに登録されています。

2020年03月12日(木)

富山県南砺市福野へ建築家・吉田鉄郎の作品を訪ねました(3作品)。東京帝大建築科を卒業後、通信省に入り、通信や郵政施設を中心に日本の伝統建築と近代建築を融合させた多くの建築物を手掛けています。(東京中央郵便局、京都中央電話局や大阪中央郵便局など)

①授眼蔵図書館(建築年1919年)

西芳寺の私設図書館が始まりで、その後、福野町立図書館になり、現在は福野文化創造センター内に移転したため利用されなくなり元の西芳寺に戻った。近年の台風で周辺の木々が倒れたままになっていたが幸い建物は影響もなく建っていた。この建物は吉田鉄郎が学生時代に設計したものとされる。(窓のデザインと屋根の鴟尾(しび)が、とても印象的でした)

②山田邸増築(建築年1929年)

山田家は「詩百編」と言う名の酒造家である。所有者が京都市で空き家になっているが、保存状態が良く登録文化財指定の可能性も高いとのことで、南砺市は保存活用を考えたまちづくりに意欲を示しており、現在、所有者と地元団体とで協議中である。(広大な敷地に建つ門構えの和風造りに、母屋(増築)だけは和洋風の雰囲気がありました)

③旧福野郵便局の離れ(建築年1923年)

局舎は郵便局として使命を終えた後も生命保険会社の事務所として使われていたが、既に建て替えられており現存していない。郵便局の離れとして設けられた住宅部分と蔵が隣家に曳家され、ほぼ建設当時の姿のまま住み続けられている。関東大震災後、吉田鉄郎は東京中央郵便局の設計に本格的に取り組みますが、その直前にこの郵便局を設計している。(大通りから、幅1間にも満たない狭い小路をしばらく歩くと建物がありました)

2019年11月24日(日)

23日の富山県高岡市の雨晴海岸です。

朝からとてもよく晴れ、これはチャンスと思い、雨晴海岸へ行ってきました。海岸からは3千メートル級の立山連峰がくっきりと見えます。滅多に見れないこのタイミングに感動しました。この海岸は「世界で最も美しい湾クラブ」に加盟しており、今年、富山で世界大会が開催されました。


  • 雨晴海岸①

  • 雨晴海岸②


  • 雨晴海岸③

  • 雨晴海岸④

2019年10月14日(土)

福井県へ行ってきました。(スタッフが書きます)

福井県福井市にある養浩館(福井藩主松平家の別邸)へ行ってきました。建物は数寄屋造りで庭園には大きな池があり、街の中心部にいるとは思えないほどゆったりと時間が流れていました。この日は雨が降っていてしっとりのんびりとできました。ここでは年に2度春と秋にお茶席が楽しめるみたいです。今季は来週から始まるみたいです!福井駅前を散歩して越前そばを食べてきました。福井産のそば粉100%に、だいこんおろしの苦みもやみつきになります。飲食店やお土産物屋さんは沢山の人で賑わっていました。駅前広場にいる恐竜(モニュメント)は30分に1度動きます!迫力あります~。


  • 養浩館

  • 養浩館


  • 福井駅前広場

  • 福井駅前広場

2019年5月18日~20日

長野・山梨・静岡へ行ってきました。(スタッフが書きます)

富士山を見にドライブしてきました。今回は多くの建物を見学するために〝下道を使い極力高速道路を走らない"がコンセプトです!スタッフが自由気ままに走ってきました。どの辺りから富士山が見え始めるのかなとワクワクしました。あの山かなこの山かなと...気が付いた時には目の前に!〝近すぎて見えない"とはこういうことですね。大きすぎて圧巻でした。馴染みのある立山連邦でも綺麗に見えた日は感動ですが、この地元の方も富士山が綺麗に見えた日は感動されるのかなと思いました。富士山をぐるっと一周してきました。どの角度も素敵でした。一生に一度は見てみたいと思っていましたが、年に一度は見てみたい!に気持ちが変わりました。来年も建物見学を兼ねて富士山に会いに行きます。


  • 富士山と夜景

  • とらや工房


  • 静岡県富士山世界遺産センター

  • 清春芸術村

 

 

ページのトップへ戻る